看護助手と介護士には仕事内容などで違いがあります。
看護助手と介護士の仕事の違い
誰かの介助を行うという共通点はあるものの、看護助手と介護士は異なります。
看護助手の仕事
看護助手の主な仕事内容は、看護師および准看護師のサポートになります。
看護師が医療行為に集中して対応できる環境を整えるために、医療行為に直接関係ない業務を看護助手が担当します。
具体的には診療や手術で使用された器具の片付けや洗浄、必要となる道具やカルテの管理などが該当します。
医療行為でその都度必要となる消耗品の備品管理も基本的には看護助手が行います。
また入院患者の介助も看護助手の仕事になります。
怪我や病気などで身体を自由に動かすことが難しい患者さんには、身体介護を行います。
主な身体介護の内容は、オムツ交換、トイレ介助、移動介助、入浴介助・食事介助となります。
認知症の患者さんであれば付き添いをしたり、せん妄状態の患者の場合は不安を和らげてあげたりといったことが必要になります。
その他、使用されたシーツの交換や清掃・消毒などの業務も担当することになります。
介護士の仕事
介護士の仕事は主に身体介助です。
歩行のサポートをする他、食事や入浴介助・排泄の介助なども担当します。
看護助手とは異なり、介護士は自立支援を目的にケアプランに基づいて適切なケアを行います。
また生活援助も介護士の仕事です。
具体的には掃除や洗濯・調理といった日常生活に関係する業務を行います。
家事代行サービスとは違いすべてやってあげるのではなく、利用者の方の意向を尊重しながら、本人が出来そうなところは一緒にやってもらうようにします。
家事は利用者の方によって作業の手順や細かい決まりがある場合もあります。
そうしたことを踏まえて、介護士は業務にあたる必要があります。
看護助手と介護士の給料の違い
看護助手と介護士では平均年収やボーナスなど給料が異なります。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」では、看護助手の平均月収は約21万円、平均年収は約304万円になります。
一方で介護士の場合は、平均月収は約26万円、平均年収は約352万円になります。
このように、看護助手と比較すると介護士の方が給料が高くなっています。
看護助手と介護士間で転職することはできる?
介護士をされている方が看護助手に転職することはできます。
たとえ看護助手の仕事は無資格・未経験でも働ける求人が多く、特に介護士は利用者の方をサポートするという共通点があることから、転職でアピールしやすいです。
また、介護福祉士資格で身に付けた知識は看護助手の仕事でも活かすことが可能です。
ただ、反対に看護助手が介護士になる場合は資格を取得することが求められます。
介護補助であれば無資格でも働くことができますが、業務の幅が狭くなってしまいます。
介護福祉系の学校を卒業していなければ、介護施設が3年以上勤務してから介護福祉士試験を受ける必要があります。
看護助手と介護士の求人の違い
看護助手や介護士の仕事には利用者の方を介助するという共通点があるものの、求人内容に違いがあります。
看護助手が担当するのは治療が必要な患者さんであり、介護士は日常生活の補助が必要な方です。
対象となる利用者の方が違うことから、看護助手の求人は病院やクリニック、介護士の求人は介護施設やデイサービスで募集されています。
求人に掲載されている業務内容を見ても、看護助手の場合は、患者さんが治療に専念できることや、看護師および准看護師のサポートすることに関して言及されています。
これに対して、介護士の求人には利用者の方が日常生活をきちんと送れるようにお手伝いをしてあげることについて言及されています。